後に悔いると書いて、後悔と読む。不意に訪れた不幸ならまだしも、この事態は避けられた未来だ。

過ぎた過去はもうどうすることも出来ない。だが、未来なら今からでも変えられるのではないか。


運命と予知を司る姉妹に言わせれば、それすらも結末が定められたシナリオなのかも知れない。

抗うことさえ無駄かも知れないが、何もしなければ未来が変わる可能性さえなくなってしまう。


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クポル達のことは気掛かりだが、まずは啓示者と種を魔王の手の届かぬ場所へ送る方が先だ。

カルタスは何らかの方法で女神の気配を察知する術を心得ている。一緒に居てはすぐに見つかる。


悔しいが、今の状態ではカルタスに一矢報いることすら出来ない。啓示者だけが最後の望みだ。

予知をフイにしただけでなく、啓示者さえも失うような事があればライマに合わせる顔がない。


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クポル達の必死の時間稼ぎも虚しく、森の中から悠然と姿を現す魔王。二人の姿は見えない・・・。

怒りで正気を失っているのか、獣のような唸り声を上げるカルタス。著しく語彙が退化している。


最悪の可能性が頭をよぎる。絶望してはダメだ。女神は常に毅然とした態度を保たねばならない。

どんなに残酷な結末が待っていようと、絶対に屈しない。それがあの子たちの主としての矜持だ。


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しかし、その決意は一瞬で揺らいだ。半死半生ながら、二人は生きていた。今ならまだ助けられる。

啓示者の持つ種の力を使えば不可能は無いだろうが・・・それを魔王に知られる訳には行かない。


メデイナが見せた一瞬の躊躇。散々コケにされたカルタスが交渉を打ち切るには充分な時間だった。

いかに強情とはいえ、お優しいメデイナ様のことだ。見せしめに一匹殺すだけでも心が折れるだろう。


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カルタスは特に残酷で名を馳せた魔王だ。殺ると言ったら絶対に殺るだろう。絶体絶命のピンチ! 

だが、魔王がクポル達を手に掛けようとした瞬間、突如足元に現れた魔法陣がその動きを封じた。


魔王さえも束縛するほど強力な魔法陣を一瞬で構築するとは、並大抵の術者ではない。一体誰が?

・・・そうだ。すっかり忘れていたが、メデイナのクポルはもうひとり居た。北部のアストラだ。


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現れたのは、アストラが呼んできたネリンガ。そのキャンドルヘッドさえ今は最高にカッコイイ。

魔法陣が魔王を拘束できたのは一瞬だったが、ここにやってきたのはネリンガだけではなかった。


クロノマスターとパラディンマスターの二人がクポル達を奪還することに成功し、一気に形勢逆転。

まさかこんな美味しい再登場の機会を伺っていたとは、これもライマの筋書き通りなら出来すぎだ。


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一瞬でも自由を奪われて恐怖を覚えたのか、威嚇するカルタス。弱い犬ほどよく吠えるという。

交渉材料の人質も失った今、さすがの魔王もこの状況で真っ向勝負を挑むほど愚かではないようだ。


ところでアムジナスとはルシードのことか。老体が言う事利かないパラディンマスターは論外だし。

ライマ信者はことごとく啓示を任されて死ぬ運命なのに、未だに生きているネリンガも怪しいが。


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魔王はネリンガたちに攻撃を仕掛けると見せかけて、安堵して無防備になったメデイナを狙っていた。

しくじった。端から狙いはメデイナだった。イカレたフリもポーズなのか、意外と頭はキレるようだ。


再び姿を消す魔王とメデイナ。逃すまいとクロノマスターとパラディンマスターが追うが、無駄足だ。

今度は女神センサーことイローナが瀕死なので追跡のしようがない。まずクポル二人を治癒しないと。


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ネリンガは誓約の内容を知っているのか、カルタスがメデイナを害することは出来ないと言う。

いや断言してる所悪いけど、さっき普通に攻撃してきたよ。それでクポルの二人が瀕死なったし。


それでもなお運命は変わらないという予言に疑いの余地はないが、果たして喜んで良いものかどうか。

カルタスは最後に不吉な言葉を残して消えた。ライマの予言はお前たちの思う通りになるのか、と。